3年計画で徐々に3社を統合
省スペースと働きやすさを実現
省スペースと働きやすさを実現
今でこそ誰でもやっている“ポイ活”。その元祖ともいえる「ブルーチップ」という小売業販売促進システムをアメリカから輸入し、日本風にアレンジし日本に浸透させたのがブルーチップ株式会社です。1962年の創業で、現在ではポイントカードのデータ分析やマーケットリサーチなど業務を広げ、関連会社も3社に拡大。オフィス環境を整えるため3年前からCLASを利用しています。今回、3社をひとつの拠点に集約するべく社内大改造を敢行しました。
レイアウトからなにからすべてCLASにおまかせ。スペースを効率よく使用しつつ、家具を入れ替えて最良のオフィス環境を模索する
様子を見ながら少しずつ
創業60年以上という老舗企業ゆえに、古い家具も多かったブルーチップ社。特に応接室などは高価な家具も多く、古くなっていても気軽に買い換えられるものではありませんでした。また、社内環境を急に変えることにも慎重であったため、まずは“お試しに”と、会議室からCLAS利用を開始したといいます。
さっそく感じたのは、その楽さ。高価な家具を購入してしまうと、それは減価償却まで何年もかかる“資産”となってしまいますが、見栄えのいい家具を気に入るまで入れ替え続けてもサブスクリプションならそれはすべて毎月の経費となります。翌年は大会議室の家具を“、つぎにはかねてより気になっていたフリーアドレスのワークスペースを導入してみました。半年間様子を見て、社員の反応がよければ本格的に設置。担当者にも気軽に相談でき、不具合があればすぐに対応してもらえる気安さは、CLASの大きな利点です。
実はこのお試し、もっと大きな社内改革を見越してのこと。かねてより同社が抱えていた問題――部署ごとの社員同士でかたまってしまって、他部署との交流がまったくないこと、自席に持ち込んだ荷物が山積しまっている席があること。そしてなにより、3社に分かれていたグループ会社同士のコミュニケーション――それらを解決し、より効率的なオフィス環境を築き上げるための前哨戦だったのです。
好きな席で仕事ができるフリーアドレス。それぞれ好みが違うからこそ、いろいろなタイプを試してみたい。通称「ファミレス席」(右)はミーティング時に活躍
時代に合わせた社内改革
かくしてブルーチップ社は都内各所にあった事業所を、国際展示場にある本社に一元化することを決意。このときまでにCLASとともに試してきた数々のオフィス環境を反映させることはもちろん、新たなトライアルも盛り込んでいきます。
たとえば、フォンブース。同社がオフィス改革に取り組み始めた3年前は、コロナ禍も終盤になっていました。そのころまでにはオンラインミーティングが常識となっており、特にミーティングが多い同社においてはなくてはならない什器でした。一人用、二人用と用途に合わせて導入したところ非常に好評で、新オフィスには全部で4台導入しています。また、ファミリーレストランのボックス席のようなシートも、ミーティングに一体感が出ること、外部への音漏れが気にならないこともあって需要が高いようです。ただ、もっとプライベート感が出る囲みブースは不評。
というのも、外から見えないためについついモノを入れて置きっぱなしにし、オフィス環境を乱してしまうのだそう。というわけで、こちらは返品、というように、使ってみて会社に合っているかどうかを見極めながら残す家具を決めていきます。
音漏れを気にせずオンラインミーティングができるフォンブースは予約が取れないほど人気。新オフィスには数を増やして導入した
3社をひとつにといっても、新しくオフィスを借りたわけではなく、無駄なものをなくしてスペースを効率化しています。いまやリモートワークが浸透しており、日々の出社率は全社員の6割程度。フリーアドレスなので座席が足りなくなることもなく、それぞれ気に入った席で仕事をするスタイルになりました。開発などずっと座っての作業が多い社員からは、立って仕事をすることができる昇降するデスクがほしいとの要望があり、すぐに導入しています。足のうっ血を防ぐなどの効果があるので、この席はエンジニア系の人たちに特に人気があるそうです。
こうして約3年の年月をかけて“最終形”に近づけて行ったブルーチップ社の新オフィス。これまで席を並べることのなかった他部署や関連会社の社員がいることで心地よい緊張感が生まれ、かつ、新しい事業などのアイデアも気軽に意見交換できる雰囲気になりつつあります。会社が大きくなればなるほど、企業は“重く”なっていくものですが、CLASを利用することで軽やかに大きな改革を行うことができました。
それぞれ個別に昇降するデスクはエンジニアからの希望で導入。半年ほど様子を見て、使用感を試してから本格導入するか決める