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体にあったオフィスチェアの選び方と有名メーカーの特徴を完全解説!

体に合わないオフィスチェアを使うことは、腰痛や疲労の原因にもなるため調整機構が充実したしっかりしたものを選びたいものです。一方、短時間座ってみただけでは体に合ったチェアかどうか確かめづらく、忙しい日々を送るビジネスマンにとって自分に合うものを見つけることは難しいでしょう。

また、販売されているオフィスチェアは似たような形をしていても、数千円台のものから20万円以上するものまで幅広く、品質や機能を見極めて選ぶことが難しいのも事実です。

この記事では、オフィスチェアを選ぶ際のポイントに加えて、自分にピッタリのオフィスチェアを見つける方法、代表的なオフィスチェアの特徴について解説します。

長時間体を支えるオフィスチェア、腰痛や疲れの原因にも

喫煙や飲酒と同様な健康リスクとしてWHO(世界保健機関)から発表された「座りすぎ」。1日に11時間以上座って過ごす人の死亡リスクが40%高いという研究結果は、決して無関心ではいられない事実です。

こまめに立ち上がって休憩を取るなどの対策は考えられるものの、忙しさに追われ集中することを強いられる日常業務のなかでは、そんな余裕を持てない方も少なくはないでしょう。

また、座った姿勢は立っている時よりも、椎間板に1.4倍の負担がかかるといわれています。オフィスチェアが体格に合わなかったり、正しい座り方をキープしにくい場合に腰痛や疲れの原因になります。

そもそも、なぜ座っているだけで腰痛になるのか

人間の脊椎(背骨)は24個の椎骨が連なり、全体に緩やかなS字カーブを描いています。椎骨の間の椎間板がクッションの役割を果たし、S字カーブの曲がり具合が変化することでさまざまな姿勢を取ることが可能になります。

立っている時の脊椎のS字カーブが最も自然な状態であるのに対し、椅子に座ると体を支持する点が変わりS字カーブの曲がり具合が変化します。これが座った姿勢を取った時に椎間板への負荷が増す要因です。同じ座った姿勢を長時間続けると椎間板に負荷がかかり、姿勢を維持する筋肉への負荷のバランスも崩れることで、腰痛や肩こりなどさまざまな不調を引き起こします。

オフィスチェアが座っている姿勢に与える要素

椅子に座った時、脊椎のS字カーブが立っている時に近い状態でいられることが理想的な座り方です。

椅子に座った時に最も体重のかかる部分が、骨盤の坐骨という部分です。骨盤の仙骨という部分が脊椎と接続しており、座った時の骨盤の前後左右の角度が脊椎のS字カーブに大きな影響を与えます。背もたれに寄りかかる場合は、骨盤と座面の角度と骨盤と脊椎の角度が変わり、脊椎のS字カーブはさらに複雑に変形することになります。

座った姿勢で骨盤の角度と脊椎のS字カーブに影響を与えるのが次の要素です。

  • 座面の高さ
  • 座面の奥行き
  • 座面の横幅
  • 座面の角度
  • 座面のクッション性
  • 背もたれの高さ
  • 背もたれの角度
  • 肘置きの有無・高さ

加えて、座った時の姿勢に影響するのは次の2つです。

  • 机の高さ
  • 着席時に行う作業の種類

机の高さは言うまでもなく、例えばキーボードを打つ作業と文字を書く時では頭の位置が変わり、脊椎の前後の傾きが変化します。つまり、着席時の作業の種類によっても、骨盤の角度は影響を受けることになります。

オフィスチェアに求められるもの

オフィスチェア選びで大切なことは、体格に合ったサイズと、姿勢や使い方に合わせられるリクライニング等の調整機構、それに加え、デザインや座り心地などがあげられます。特に調整機構はリクライニング一つとっても、傾けられる角度や固定できるかどうか、傾ける際の反発力など、使ってみなければわからない部分が多くあります。

オフィスチェアを選ぶ際にチェックしたい要素を一つひとつ見てみましょう。

座面の高さ

腰掛けた時に骨盤が傾かず、立っている時に近い角度を保つことが理想的な座り方です。足裏が床にべったり着いた状態で坐骨を中心に体重をかけ、座面に接する太ももの裏で足の重さを支えます。膝下の高さより座面が低いと骨盤が後傾しやすく、座面が高く足裏が床に着かない状態では骨盤が前後に動きやすく安定した姿勢を取りづらくなります。

ほとんどのデスクチェアには座面の高さ調整機構がついていますが、最も低い座面の高さと最も高い座面の高さ、調整できる高さの範囲はそれぞれ異なるため、体格に合うものを確かめることが必要です。

座面の奥行き

座面の奥行きが大腿部より長い場合深く腰掛けることができず、背もたれにもたれかかろうとすると骨盤が後傾してしまいます。座面の奥行きは最も深く腰掛けた状態で、膝裏に指2本程度の隙間ができる程度が理想とされています。

座面の奥行き調整の機構を持つオフィスチェアもあります。

ランバーサポート

ランバーサポートは背もたれに寄りかかったときに、腰椎から胸椎にかけてのS字カーブを保つための、背もたれに設けられた出っ張りです。体格によって脊椎の曲がり方が異なるため、出っ張り部分の高さを調整できるものが望ましいでしょう。

座面の前傾機構

デスクワークのなかで手書きで書類を作成する場合など、上体を前傾させた状態で長時間集中しなければならない時があります。椅子に座った状態で上体を前屈させると、立って上体を前屈させる時よりも腰に負担がかかります。

座った状態で前傾した時の骨盤と脊椎の角度が必要以上に深くならないように、座面の前傾機構やチルト機構を備えているものがあります。

リクライニング

背もたれを後ろに倒すことで、座面と背もたれの角度を調整する機能です。背もたれに寄りかかって作業する場合にちょうどよい角度に合わせることができ、さらに大きく背もたれを倒すことで、体勢を変えて体をリラックスさせることができます。

背もたれに寄りかかった脊椎が後傾している状態は骨盤も後傾すると同時に、身体全体が前にずれる力が働くため、大きな角度をつけて同じ姿勢を続けることはどこかに無理な力が加わり、体を痛める原因となります。

ロッキング

リクライニング機構が座面と背もたれの角度を調整し固定するのに対し、ロッキング機構は体重移動に合わせて背もたれのみ、または、座面と背もたれが同時に可動する仕組みです。体重を預けることで常に角度が変わるため、座っている姿勢の自由度が高まります。

反発力の強さを調整できるものが多く、機種によっては角度を固定できるものもあります。

ヘッドレスト

リクライニングやロッキング機構を持つオフィスチェアの場合は、ヘッドレストがあると頭も背もたれに預けることができるので、よりリラックスした姿勢を取りやすくなります。

ただし、ヘッドレストと位置と高さが合っていない場合、効果的に頭を保持できないばかりか、前後の位置によっては頸椎を痛める可能性もあります。

アームレスト

長時間の座って作業を行うことを前提とするデスクチェア、ワークチェアの多くはアームレストが付いています。アームレストは体を支持するポイントとなるため、姿勢を安定させることにつながります。また、キーボードを打つ作業では肘を置くことで疲労を軽減させることができます。

アームレストの高さや位置が合っていないと肩こりの原因になります。調整機構の付いたものが望ましいでしょう。

快適性

座り心地は座面と背もたれのクッション性と、表面の素材によって大きく変わります。座面のクッション性は柔らかいものでも長時間座るとお尻が痛くなるケースもあるため、長時間座ってみないとわからないところがあります。

また、座面の素材が合成皮革など滑りやすいものの場合、リクライニングした時に姿勢を保持しづらいものもあるので実際に座ってみて確かめたいところです。


長時間座った状態で作業を続けると、合成皮革やファブリック素材のものはどうしても蒸れやすくなります。メッシュ素材を採用するオフィスチェアの選択肢も幅広いため、座り心地と合わせて素材も意識して選びましょう。

デザイン性

機能性だけでなくデザイン性の高いオフィスチェアも増えてきており、オフィスとのコーディネートも考える必要が出てきます。また、おしゃれな家具に囲まれた職場は、モチベーションを高める要素になるかもしれません。

座る人の体に合ったもの、快適に使えるものを選ぶことが基本ですが、気に入ったデザインも選ぶ際の重要な要素です。

有名メーカーのオフィスチェアの特徴

有名メーカーのオフィスチェアは品質もさることながら、価格も高いことで有名ではないでしょうか。例えば、デスクチェアやワークチェアの先駆けであり、1990年代に一世を風靡したのがHarmanMiller(ハーマンミラー)のアーロンチェア。1脚15〜20万円するアーロンチェアは投資銀行やコンサルティングファームのオフィスで目にすることが多く、憧れの目が向けられるオフィスチェアのひとつでしょう。

アーロンチェア以外のブランドでは、Ergohuman(エルゴヒューマン)のProやSteelcase(スチールケース)のLeap(リープ)、国内ではオカムラのContessa Seconda(コンテッサセコンダ)がアーロンチェアと同ランクの商品としてあげられます。

メッシュ素材を採用するオフィスチェアは当たり前になりましたが、人間工学にもとづいた各種調整機構や品質の高さ、耐久性も含め、ハイブランドや有名メーカーのものと低価格帯の商品では歴然とした差があります。

こちらでは、有名メーカーのオフィスチェアについて特徴を解説します。

Hermanmiller(ハーマンミラー)の特徴

Hermanmillerは今や一般的となったメッシュ素材を初めてワークチェアに採用したブランドであり、人間工学に基づいたさまざまな工夫が取り入れられています。

無理のない着座姿勢を実現するために、体格に合わせてA/B/Cの3つの座面サイズが用意されているのは他社にない特徴です。作業中の姿勢を重視したリクライニング機構と前傾チルトモード、メッシュ部分の張りの強さを部位によって変化させることで最適な体圧分散が得られる座面と背もたれなど、快適性と長時間の作業に配慮した設計がなされています。

座って作業を行うときに必要な機能に特化しており、体を預けて寛ぐためのヘッドレストは付いていません。深く腰掛けたときに正しい姿勢になるように作られた、仕事をするためのオフィスチェアです。12年間の保証期間がついているのも信頼できるブランドの証です。

Ergohuman(エルゴヒューマン)の特徴

Ergohumanの代表作といわれるのがErgohuman Proというモデルです。背もたれのランバーサポートが独立式となっているので、体格に合わせて柔軟に調整できます。ヘッドレストが標準で装備され、リクライニングの角度が固定できるなど、座ったままリラックスした体勢で休息する際のことも考えて作られています。

座面、背もたれ、ヘッドレスト、アームレストそれぞれに可動域の広い調整機構が備わっているほか、オットマンやタブレットスタンドなどのオプションを選べる点も他社にない特徴です。

オカムラの特徴

オカムラはオフィス家具・什器の国内トップシェアを誇るメーカーであり、2000年代に入りアーロンチェアを意識して開発されたのがContessa(コンテッサ)です。工業デザインで有名なジウジアーロによってデザインされ、世界的な家具製品の強度規格BIFMA X5.1-2017の認証を受けるなど、海外マーケットを意識した製品づくりがなされています。

Contessaの現行モデルはContessa Secondaというモデルです。背もたれと座面ではメッシュの織り方が異なり、さらにグラデーション状に織り方を変化させることで部位ごとにメッシュのテンションを変えています。また、座面の昇降とリクライニングの角度調整の操作をアームレスト下側のボタンで行えるのが他社にない特徴であり、座ったままの体勢を変えずにより細かい調整を行うことができます。

オフィスチェアは使ってみないとわからない!だからこそレンタルを

長時間にわたり体を支え、姿勢の変化にも対応しなければならないオフィスチェアは体格に合っていることが何よりも大事なことです。

また、体に合わせるための調整機構があったとしても、可動範囲や反発力の強さ、座面・背もたれのサイズと位置関係によって、座った時の骨格の動きや肩や腰の筋肉に入る力が微妙に変わってきます。その違いは短時間座ってみただけではわからず、長時間同じ姿勢を続けたときに痛みや疲れとなって現れます。ショールームで試座してみただけではわかりづらく、購入してある程度の期間使ってみないと体に合わないことに気づけないのがオフィスチェアを選ぶ際の難しいところです。

本記事では有名メーカーのオフィスチェアを紹介しましたが、これらのチェアは、座る姿勢に配慮された「体に優しい設計」がなされています。それでもやはり、実際に使ってみると体に合わないケースや、さらによさそうなチェアが見つかることはよくあることでしょう。

そのため、本来はオフィスチェア選びに時間をかけたいところですが、ビジネスマンにとってそういった時間をとることは現実的ではありません。一方、本記事で紹介した高価格の商品だけでなく、安いものであっても体に合わないまま使うのは生産性や体調にも影響します。

だからこそ、オフィスチェアも「所有」するのではなく「利用」することによって使い心地に合わせて交換することをオススメします。CLAS BUSINESSでは最低利用期間もなく、長期利用に応じた割引があるなど、レンタルの「トータルコストが高くなる」課題も解消しており、購入の最大のリスクである「納得していないのに使い続ける」ことを手軽に解決できます。

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