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web会議や個人ワークに最適!個室ブースの活用事例とメリット

新型コロナウイルス感染症のまん延により急速にリモートワークが普及したことで、オフィスのあり方にも変化が求められています。株式会社日本パープルが行なった「新型コロナウイルスとオフィスでの物品保管に関する調査」によれば、コロナ禍でオフィスのレイアウト変更を行なった企業は6割を超えることが分かりました。

オフィスに関する課題の中でも、コロナ禍により浮かび上がったのが「WEB会議に適したスペースの不足」です。後述する調査結果の中でも、オフィスにおける現状の課題として「個室ブースが足りない」を挙げた企業が最も多かったことがわかっています。リモートワークの普及によりWEB会議やWEBミーティングが浸透したため、それに合わせてオフィスにも変革が求められているのです。

とはいえ、オフィスのレイアウト変更やリノベーションは手軽に着手できることではありません。防音性能のあるWEB会議用のスペースを増設するとなると、費用は数百万~数千万円にもなってしまい、予算を付けるのが難しい企業も多いでしょう。オフィスのコロナ対応には、頭を悩ませている総務担当者も多いのではないでしょうか。

そこで、手軽に導入できるWEB会議用スペースとして注目を集めているのが「個室ブース」です。個室ブースは防音性を兼ね備えた作業空間でありながら、大規模な工事や高額な費用をかけずに導入することができます。本記事では導入する企業が増加中の個室ブースについて、詳しくご紹介していきます。

1.個室ブースとは
1-1.集中ブースとの違い
2.なぜ今、個室ブースなのか。ニーズが高まっている背景
2-1.WEB会議・オンライン商談の増加による個室ブース不足
2-2.緊急事態宣言解除後に出社する従業員の増加
2-3.集中して作業するスペースの不足
2-4.取扱情報の秘匿性確保
3.個室ブース導入のメリット
3-1.web会議ができる|防音スペース
3-2.周囲の音を遮断できる|集中スペース
3-3.大きな工事がなく導入できる|小規模スペース
4.個室ブース導入のデメリット、導入検討時のハードル
4-1.導入したいが高額
4-2.オフィスが今後どうなるかわからない
5.個室ブースを「レンタル・サブスクする」という選択
5-1.初期コストを削減できる
5-2.使って試せる、効果を確かめられる
5-3.不要な場合は返却、破損時は交換が可能
6.個室ブースはどうやって選ぶの?個室ブースをオフィスへ導入する際の注意点
6-1.用途に応じたブースタイプを選定する。クローズ型・セミクローズ型・オープン型
6-2.人数や大きさ
6-3.設置可能か否か
6-4.建築基準法と消防法に抵触しないか確認
6-5.遮音・吸音・防音効果
6-6.本体の素材(抗菌)
6-7.導入前に体験してみる
6-8.設置から利用開始まで、手間なく素早く導入できるか確認する
7.個室ブース導入後の運用方法・ルール決めはどうすべきか?
7-1.誰がいつ使用するかを共有する
7-2.飲食の可否や、利用時間などに制限をかける
7-3.通話可能なブースを分ける
8.個室ブースの活用例、個室型フォンブースをはじめとする集中スペース
8-1.遮音性を求めている場合
8-2.緩やかに囲って集中環境をつくる場合
9.まとめ

個室ブースとは

個室ブースとは、周囲の音や視線を遮断し、集中して仕事に取り組むことを目的に設置する1人~数人用の作業空間のことです。電話ボックスのような見た目のコンパクトな空間となっており、周囲の雑音をシャットアウトして仕事に集中することができます。ほかにも、「フォンブース」「ワークブース」「パーソナルブース」「防音ブース」などといった呼び方があります。

機密情報やプライバシーを守りつつ通話ができるという点から、最近ではWEB会議に利用されることが増えています。その需要から、電源やWi-Fi、モニター設置、空調設備など、機能性の高いモデルも登場しています。

また完全個室タイプだけでなく、天井が開いている半個室タイプ、パーテーションだけで区切られただけのオープンタイプなどがあり、用途や目的に合わせて使い分けることが可能です。

集中ブースとの違い

集中ブースは、作業に集中したいときに使用する、壁やパーテーションなどでスペースを区切った周りの音や視線の影響を受けにくい空間のことを指すことが多いです。集中するための作業空間であるという点は個室ブースと同じものですが、違いとしては「ブースの遮断性の高さ」が挙げられます。

集中ブースの場合、オフィスの中心部から離れた場所に「簡易的なパーテーション」等でスペースを作ったものが一般的です。一方の個室ブースは防音性能のある壁で四方を囲った機密性の高い個室ですので、機密性や秘匿性の高い作りになっています。

なぜ今、個室ブースなのか。ニーズが高まっている背景

個室ブースは、近年急速にニーズが高まっており、企業規模に関わらず導入事例が急増中です。その背景の一つとして、リモートワークの普及が挙げられます。

2020年より新型コロナウイルス感染症が本格的にまん延したことで、企業はリモートワーク対応の必要に迫られました。総務省の発表によれば、1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月時点で、全体の約56%、大企業においては実に80%を越える企業が一斉にリモートワークを実施したことが明らかになっています。

引用元:総務省「テレワークの実施状況」

リモートワークが普及したもう一つの背景として、コロナ禍以前より、働き方改革やハイブリッドワークが推進されてきたことがあります。日本政府は2016年頃から働き方改革の一環としてリモートワークを推進しており、ガイドライン作成などの啓蒙活動を行っています。これを受けて、社員の家庭環境やライフステージに合わせて出社と在宅を柔軟に選択できる「ハイブリッドワーク」という働き方も広がりを見せています。

これらの理由からリモートワークが急速に普及し、それに伴ってビデオ通話を介したWEB会議やチャットツールを使ったコミュニケーションが当たり前となりました。セキュリティやプライバシーを保ちながらビデオ通話ができる空間が求められるようになったため、個室ブースの需要も高まっているのです。

WEB会議・オンライン商談の増加による個室ブース不足

株式会社月間総務が総務担当者を対象に行なった「オフィスに関する調査」では、オフィス環境の課題についてアンケートが実施されました。その中では「個室ブースの不足」を感じている企業が多いことがわかっています。

「コロナ禍以前と現在におけるオフィスの課題の変化」を尋ねた設問において、コロナ禍前は「会議室や来客スペースが足りない」という答えが65.6%で最多だったのに対し、現在の答えでは「個別ブースが足りない」との回答が63.7%で最多となりました。

この理由として見込み顧客への営業や商談、クライアントとのミーティングなどもオンラインで行う機会が増えたことが考えられます。WEB会議やオンライン商談を行う際は、周囲の雑音が入らない静かな環境が求められるため、隔離された環境が必要になります。その結果、多くの企業でWEB会議用スペースが不足しており、個室ブースの需要増につながっているのです。

緊急事態宣言解除後に出社する従業員の増加

パソナ総合研究所が、緊急事態宣言中に在宅勤務を経験した三大都市圏の会社員を対象として行なった調査「第2回 コロナ後の働き方に関する調査」では、在宅勤務を解消する企業が増えている現状が明らかになっています。

同調査において「コロナ禍になり、どのくらいの割合で在宅勤務を実施していたか」という設問では、2021年7~9月の緊急事態宣言下では全体の9割以上が在宅勤務を実施していたものの、宣言が解除された10月には「実施していない」との回答が29.2%と、3割近い結果となりました。

コロナ禍によりリモートワークが急激に普及し、働き方に大きな変革が訪れたといわれてきましたが、実際にはコロナ禍の一時的な落ち着きとともに、再び出社に切り替えた企業が多いことを示す結果となっています。今後はコロナ禍の収束にともない、出社をメインとする企業がますます増えることが予想されます。同時にオフィスにおける個室ブースのニーズも高まると考えられます。

集中して作業するスペースの不足

昨今のオフィスでは、机の間に仕切りの無い「オープンオフィス」と呼ばれる設計を採用する企業が増えています。一見すると社員同士の会話が発生しやすく、コミュニケーションの促進を意図して導入されますが、海外では「生産性を低下させる」という実験結果も報告されています。

ハーバード大学の研究者が発表した論文によれば、国際企業2社でオフィスのレイアウトをオープンタイプに変更する実験を試みたところ、社員同士の直接コミュニケーションが時間換算で70%減少した上に、生産性も落ち込むことなどが明らかになりました。

実際にオープンオフィスで働いたことのある方は、急に話しかけられて集中力が途切れてしまったり、周囲の目が気になって雑談がしにくいといった経験に心当たりがあるのではないでしょうか。このようなオープンオフィスのデメリットを解消する手段として、集中力を高めるための個室ブースが求められるようになっている背景もあるのです。

取扱情報の秘匿性確保

前述でも触れた通り、WEB上での会議や商談が普及したことにより、オフィス内でビデオ通話を行うスペースが不足しています。クライアントと通話を行う際は、周囲の雑音が入らないように配慮するだけではなく、クライアントの機密情報やプライバシーを守る観点から、秘匿性の高い空間が必要とされます。

WEB会議ではクライアントの経営に関する情報や、事業における機密情報、担当者のプライバシーに関わる情報などが扱われる可能性があります。たとえ社内であってもこれらの情報漏洩を防がなければならず、周囲の目があるオープンな空間で通話をするわけにはいきません。

そのため秘匿性の高い情報を取り扱うWEB会議を行う際は、パーテーション等で簡単に区切られたスペースではなく、通話している音声が周囲に漏れない遮音性の高い空間が必要なのです。また通話しているパソコンの画面が他の社員に見られないよう、視線を遮断できることも求められます。

個室ブース導入のメリット

コロナ禍のリモートワークやWEB会議の急速な普及を背景として、個室ブースを導入する企業は増えつつあります。それでは個室ブースを導入することで、会社にはどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットとしては「防音性」「集中力の向上」「導入の手軽さ」の3つが挙げられます。

web会議ができる|防音スペース

先述した通り、クライアントの重要な情報を取り扱うWEB会議は、秘匿性が確保された空間で行う必要があります。半個室タイプの会議室や、パーテーションで仕切られた執務スペースでは秘匿性が不十分です。その点、防音素材を使用している個室ブースなら、秘匿性を確保することができます。また外から中が見えにくい加工ガラスを採用しているタイプなら、パソコンの画面を外から見られる心配もありません。

周囲の音を遮断できる|集中スペース

周囲の音を遮断できる個室ブースは、社内でWEB会議を行う際によく発生する「音問題」を解消できることもメリットです。オープンなスペースでWEB会議をすると、前述のような秘匿性の問題があるだけでなく、周囲の雑音が入ってしまい、会話を阻害する可能性があります。会議中の声が近くで仕事をしている社員の集中力をそいでしまい、生産性を低下させることにもなりかねません。外からの雑音や、中からの音漏れを防止する個室ブースであれば、これらの問題を軽減することができます。

大きな工事がなく導入できる|小規模スペース

個室ブースの最大の特徴といえるのが、大規模な工事をすることなく導入が可能な点です。

通常オフィスに新たなスペースを創出しようとすると、壁の取り壊しや増設、配線工事といった大規模な内装工事を行うことになり、工事期間中の仮オフィスなども用意しなければなりません。費用相場は坪単価10~30万円といわれていますので、2~5坪ほどの防音スペースを複数個作った場合、数百万円の費用がかかることになります。

個室ブースなら既製品を設置するだけで完了しますので、そのような工事は不要です。基本的には本体費用と設置料金のみで導入でき、コストを大幅に削減することができます。

個室ブース導入のデメリット、導入検討時のハードル

大規模な工事をするよりも手軽に小規模スペースを導入できる個室ブースですが、その一方でいくつかのデメリットも存在します。おおまかには、①費用面の懸念と、②今後の働き方がどのように変動するか予測がつかない点が挙げられます。

導入したいが高額

個室ブースの導入は大規模工事の必要がないため、手軽に導入しやすいといえます。しかし購入にはそれなりの費用が必要です。1人用のコンパクトなタイプのブースでも100万~200万円の購入費用と、配送料や設置代が必要になります。複数人で使用できる大型のものとなると、費用はさらに高額となります。リフォーム工事と比べて安く済むとはいえ、簡単に導入できる金額とはいえないでしょう。

オフィスが今後どうなるかわからない

個室ブースを導入したとしても、働き方の変化により使わなくなるかもしれないという懸念もあります。急激にリモートワークが普及したり、落ち着きとともにまた出社が増えたりと、働き方は時勢によって大きく変動することがあります。

今回のコロナ禍でも、働き方の変化に合わせてオフィスレイアウトの変更や移転を余儀なくされた会社も少なくありません。多額の費用をかけて個室ブースを導入したとしても、不要になってしまう可能性があるのです。「使うかどうかわからないものに高額な投資をするのは難しい」と感じる総務担当者も多いのではないでしょうか。

個室ブースを「レンタル・サブスクする」という選択

WEB会議が普及した昨今において、個室ブースの需要はますます高まりつつあります。また会社の生産性を高める意味でも、仕事に没頭できるパーソナルスペースの設置は意義のあるものです。とはいえ総務担当者としては数百万円もの高額決算を議題に乗せるだけでも悩みどころでしょう。そのような場合は個室ブースの「レンタルサービス」「サブスクサービス」を利用してみるのも選択肢のひとつです。レンタル・サブスクサービスなら、個室ブースにおけるデメリットを解消できる可能性があります。

初期コストを削減できる

個室ブースのレンタル・サブスクサービスでは、ブースの月額使用料と設置費用を含んだ配送料のみで導入することが可能です。使用料はブースの大きさや性能によって異なりますが、最もコンパクトな1人用ブースであれば、月額30,000円程度から利用できるタイプもあります。トライアルプランなどのお試しプランを用意しているサービスなら、3ヶ月分の使用料と配送料を合わせて20~30万円の初期費用で導入できるサービスもあるため、大幅にコストを削減できます。

使って試せる、効果を確かめられる

「自社にマッチするのか」また「本当に活用できるのか」を購入せずに確認できるのも、レンタル・サブスクならではのメリットです。個室ブースに興味はあるものの、「本当に効果があるのかわからないため導入に踏み切れない」というのが担当者の本音でしょう。まずは低額な料金で試しに利用し、効果を検証してから購入に切り替えることもできるため、導入のハードルをぐっと下げることができます。

不要な場合は返却、破損時は交換が可能

個室ブースをレンタル・サブスクし、「自社に合わなかった」「働き方の変化により不要になった」という結果が出てしまったとしても、借りているためブースを返却することが可能です。ブースを購入しても、状況の変化によって不要になる事態は起こり得ます。せっかく高額の費用をかけて購入したブースを捨てるのはもったいない上に、破棄するには手間も費用もかかってしまいます。不要になっても、「返却」という選択肢があれば、このような事態を回避できます。

また、もしブースを破損してしまったとしても、メンテナンスや交換をしてもらえることも利点です。

個室ブースはどうやって選ぶの?個室ブースをオフィスへ導入する際の注意点

個室ブース選びの基準は、タイプや大きさ、機能性、素材などを検討するのはもちろんのこと、設置可能かどうか、建築基準法や消防法に違反しないかなども考慮する必要があります。

用途に応じたブースタイプを選定する。クローズ型・セミクローズ型・オープン型

ブースには大きく分けて、クローズ型・セミクローズ型・オープン型の3タイプがあります。それぞれ特徴が異なるため、用途に応じて使い分けるといいでしょう。

クローズ型 セミクローズ型 オープン型
特徴 ・四方と天井が壁に囲まれているタイプ

・周囲の音や視線を遮断できる
・天井だけは開いているタイプ

・周囲の視線を遮りつつ、適度に周囲の様子を伺える
・正面と左右の三面がパーテーションで仕切られたタイプ

・秘匿性は低い
主な用途 重要情報を扱うWEB会議や商談 通常のWEBミーティング 集中したいときの作業スペース
導入費用

人数や大きさ

個室ブースの大きさは、1人用・2人用・4人用がメインのサイズ展開となっていることが多く、選ぶ際の基準としては、複数人でWEB会議に参加するかどうかがポイントです。チームで対応しているクライアントとのWEB会議や、遠隔地にある支店と部署単位で行うWEBミーティングなどが想定される場合は4人用ブースがあると重宝します。自社における具体的な利用シーンを想定して選ぶようにしてください。

1人用 2人用 4人用
主な用途 ・1人で出席するWEB会議

・集中スペース
・個人面談

・1on1ミーティング
・チームや部署単位で出席するWEB会議

・打ち合わせ

設置可能か否か

設置場所についても、導入前にしっかり確認しておきましょう。オフィスのどこに設置するのか決定したら、導入したいモデルの大きさを確認し、設置可能かどうかよく検証してください。また意外と盲点になるのが搬入経路です。建物のエレベーターサイズによっては、ブースの搬入ができないこともありえます。もし、搬入が難しそうな場合は、現地組立タイプのブースもあります。エレベーターのサイズ確認とともに、業者にも確認をとるようにしましょう。

建築基準法と消防法に抵触しないか確認

ブースの大きさや材質によっては、建築基準法や消防法の制限がかかり、設置できない可能性があります。

建築基準法は、建築物の最低基準となる基本ルールを定めた法律で、消防法は火災による被害を最小限にとどめるために消防設備の設置や点検について定めた法律です。天井まで仕切りがあるブースはこれらの法律において「部屋」と見なされるため、設置に制限を受けることがあります。理由として、四方を全て壁や天井で仕切られた空間は排煙の問題があったり、火災報知器の音が遮断されて聞こえなかったりすると、避難に支障が出る可能性があるためです。基本的には「建築基準法・消防法の規格対応」とされている製品を選べば問題ありませんが導入の際には所轄の消防署に届出が必要になることが多いため、基準を満たしているかどうか不明な場合は、販売業者に確認をとりましょう。

遮音・吸音・防音効果

ブースのタイプによって、周りの音を遮断してくれる遮音性、ブース内の音を外に漏らさない吸音性、これらを合わせた総合的な防音性能にも差があります。最も防音性が高いのは、天井まで仕切られたクローズ型ブースです。

またブースタイプだけでなく、素材によっても防音性能は大きく変化します。より防音性を重視するなら、防音壁や防音パネルを使用した製品を選ぶとよいでしょう。実際の防音性能を確かめたい場合は、ショールームで実物を体験してみるのが最も確実です。

本体の素材(抗菌)

本体の素材は防音壁や吸音パネルの他にも、ガラスパネル、木材、防火材を使用したものがあります。ガラスパネルは使用中の閉塞感を和らげることができますし、使用中なのか一目で確認できることが利点です。インテリア性を重視するのであれば、木製のブースや、見た目をカスタマイズできるものを選ぶといいでしょう。

また直接触れるブースや机は定期的に消毒する必要があるため、拭きやすい素材や、抗菌素材、抗菌コーティングされたものがメンテナンス性が高くおすすめです。

導入前に体験してみる

導入前に実物を確認し、実際に体験することをおすすめします。各メーカーがショールームを展開しているため、気になる製品はショールームでチェックするとよいでしょう。実際に個室ブースを使ってみて、防音性や使い勝手、デザイン、大きさなどを確認すると、より導入のイメージがわき、失敗しない選択ができます。

設置から利用開始まで、手間なく素早く導入できるか確認する

大きな工事が必要ない個室ブースは、比較的手軽に素早く設置できるものが主流です。ただし見た目や素材のカスタマイズが可能な製品の場合、発注を受けてから制作を開始するものもあります。その場合、「業者との打ち合わせ」「仕様決定」「注文」「制作を開始」「納品」という工程が必要になり、納品まで時間がかかることもあります。

また製品選定の際には、利用開始までの期間を確認することはもちろん、どこまで付随する手続きをおまかせできるのか、もあわせて確認することをおすすめします。消防申請など導入前には想定できない時間のかかる手続きをおまかせすることで、自社の工数を大幅に削減できます。

個室ブース導入後の運用方法・ルール決めはどうすべきか?

個室ブース導入後に重要となるのが運用ルールの制定です。例えば、予約は必要なのか、利用時間に制限はあるか、飲食は可能か、オープン型のブースで会話はOKか、といった観点が考えられます。利用する社員が心地よく使えるよう工夫しなければ、生産性の向上は望めません。始めにしっかりとルールを制定し、社員に周知しましょう。

誰がいつ使用するかを共有する

「WEB会議に使用する予定だったのに、いざ使おうとしたらいっぱいだった」という事態が起こってしまっては、社内だけでなくクライアントにも迷惑がかかってしまいます。特にWEB会議で使われるクローズ型ブースの利用は予約制にしたほうが、バッティングを避けることができます。例えば、カレンダーアプリなどで予定を共有すると、誰が利用しているかを可視化でき、予約の管理がしやすくなります。

飲食の可否や、利用時間などに制限をかける

利用目的や利用時間についても、適切なルールを設けたほうが不要なトラブルを避けることができます。例えばブース内での飲食についてです。仕事をしながら飲み物を飲んだりお菓子をつまんだりしたい人もいるかもしれませんが、他の社員にも配慮して利用しなければいけません。飲食を可能とするか、OKならどこまでを可能とするか、取り決めておきましょう。

また利用時間の制限がないと、ずっとブースがいっぱいで使いたいときに使えない、という事態が頻発するかもしれません。「利用時間の上限を設ける」「予約時間を30分単位で区切る」などのルールを作り、多くの社員が使えるように工夫するとよいでしょう。

通話可能なブースを分ける

セミクローズ型やオープン型のブースの場合、通話や私語を可能とするかも重要です。会話している声で他の社員の集中力を削いでしまったり、トラブルになってしまうこともあります。通話や私語がOKなブースとNGのブースを分けて運用するなど、ブースごとにルールを制定するといいでしょう。

個室ブースの活用例、個室型フォンブースをはじめとする集中スペース

こちらの章では実際の活用例とともに、おすすめの個室ブースを紹介します。遮音性の高いタイプや集中力を高めやすいタイプなど、用途別にご紹介していきます。

遮音性を求めている場合 緩やかに囲って集中環境を作る場合
<Kolo>

・周囲の音圧を最大25db程度まで下げられる遮音設計と、中の会話が外に漏れにくい吸音設計

・1人用・広めの1人用・4人用の3サイズで様々なWeb会議に対応
<C-0206>

・側面と正面がパーテーションで仕切られた、スタンディングタイプのブース

・周囲の視線を遮って作業でき、短時間で集中したいときの個人スペースに最適
<Remote cabin>

・クローズ型とセミクローズ型を選択

・オプションで吸音パネルの装着も可能

・1~2人での利用を想定した4つのサイズ
<cowaku>

・側面にパーテーションが付いているソファタイプのブース

・じっくり物事を考えたいときや、リフレッシュしたいときのスペース

遮音性を求めている場合

秘匿性の高い情報を取り扱うWEB会議や個人面談などでの使用を想定している場合には、中の会話が外に漏れ出さない、遮音性能の高いブースを選ぶことが重要です。周囲が気にならないクローズ型・セミクローズ型のブースや、壁や内装に防音素材を使っているブースを選ぶといいでしょう。

以下では、個室ブースの中でも、遮音性の高い製品をご紹介します。

個室型フォンブース「Kolo」

Koloは、周囲の音圧を最大25db程度まで下げられる遮音設計と、中の会話が外に漏れにくい吸音設計が特徴のフォンブースです。1人用・広めの1人用・4人用の3サイズを展開しており、ちょっとしたWEBミーティングからチームで参加するWEB会議まで対応できます。遮音性能の高さから、WEB会議での利用を想定して設置している企業が多いようです。

また、スタイリッシュなデザインも人気の理由です。両側面がガラス張りになっているため使用中の閉塞感がなくオフィスの雰囲気を邪魔せず、内装に合った色を選ぶことができます。ショールームで無料体験が可能ですので、サイズやデザインを試してみるといいでしょう。

個室型フォンブース「Remote cabin」

Remote cabinは、個室ブースの閉塞感を和らげ、ゆったりと作業したい方におすすめのブースです。1~2人での利用を想定した4つのサイズを展開しています。机が広いタイプの1人用ブースは、資料を広げての作業や長時間集中したいときのスペースとしておすすめです。2人用ブースは、1on1ミーティングや個人面談での利用に適しています。

ブースタイプはクローズ型とセミクローズ型を選択でき、オプションで吸音パネルの装着も可能です。より遮音性を高めたい場合は、クローズ型・吸音パネル有りを選んでください。

また、ワンタッチ式のドアを採用しており、手を使わずに開閉ができることも特徴です。本体には抗菌コーティングも施されており、感染症対策に考慮された製品といえます。

緩やかに囲って集中環境をつくる場合

集中スペースとして活用したい場合には、周囲が緩やかに囲ってあるオープン型のブースがおすすめです。オフィス中心部から少し離れた場所に、パーテーションなどで囲われた空間があると、思考を練ったり、リフレッシュしたいときなどに利用できます。またオープン型のブースは導入費用がお手軽な点も特徴。「ちょっとした個人スペースが欲しい」という社員のニーズに応えたいときに、お試しで導入しやすいこともメリットです。

簡易型フォンブース「C-0206」

C-0206は、側面と正面がパーテーションで仕切られた、スタンディングタイプのブース。コンパクトなデザインなので、オフィスのどこにでも置きやすい手軽さが特徴です。大人2人で移動できる軽さですので、レイアウト変更にも柔軟に対応できる点も嬉しいポイントといえます。

簡易的なパーテーションではあるものの、周囲の視線を遮って作業できるため、短時間で集中したいときの個人スペースとして活用できます。遮音性は低いためWEB会議には不向きですが、クライアントからの急な電話対応やちょっとしたWEBミーティングであれば十分に対応できます。

小さな枠で囲われた「cowaku」

cowakuは「小さな枠=コワク」をテーマとした家具シリーズです。その中でも、側面にパーテーションが付いているワークブースタイプのものが集中スペースとして利用できます。側面のパーテーションは高さが1300mmあるため、簡易的とはいえ周囲の視線をしっかり遮ってくれます。

座面は柔らかいソファで、頭のクッションは取り外して腰当てとして使うことも可能。曲線でできたコロンとしたデザインや、落ち着きのある色味が、身心をリラックスさせてくれそうです。がっつり作業するよりも、じっくり物事を考えたいときや、リフレッシュしたいときのスペースとして活用することがおすすめです。

まとめ

WEB会議用のスペースとして需要が高まっている個室ブース。大規模な内装工事や高額な費用をかけずに遮音性の高い環境を用意できるため、導入する会社は増加傾向にあります。さらに昨今主流となっているオープンオフィスの弊害を打開する方法としても効果的です。1人で作業に没頭できる空間を用意することで、社員の生産性向上が期待できます。

導入の際は、製品の性能や大きさ、デザインだけでなく、設置場所や搬入方法なども確認することが大切です。可能であれば「近くのショールームで実物を確認してから選ぶ」もしくは「レンタルやサブスクサービスで試してみる」ことで実際に自社にマッチするのか体感できます。利用目的と照らし合わせながら、自社に最適な個室ブースを選びましょう。