「Web会議」をもっと快適に 非対面でも好印象を与える運用のポイント
今やWeb会議は、ビジネスの現場で当たり前になりつつある一方で、多くの人が対面時には感じなかった違和感・不快感を感じているようです。
対面で当たり前なように、オンライン会議でも違和感や不快感を感じずに対話ができる環境づくりが求められます。同時に、Web会議を急きょ導入したものの、セキュリティ面で十分な対策ができていないケースも見受けられます。
本記事では、Web会議を生産的に運用するポイントと、手軽さの裏に潜むリスクを防ぐために考えておきたい対策について解説します。
2.Web会議のよくある悩みと課題・解決策
2-1.①コミュニケーションの問題:相手の反応が分かりにくい など
2-2.②音声や映像の不具合(機材トラブル)
2-3.③操作の不手際:機能が使いこなせない、手間取る
2-4.④周辺環境の問題:映り込みや雑音が気になる
3.少しの気配りでWeb会議をもっと快適に
3-1.①時間厳守は共通のマナー ホストは開始5分前入室を心がける
3-2.②服装は相手に合わせてシーンに相応しいものを
3-3.③Web会議用のライトを使う
3-4.④Web会議の資料はシンプルに
3-5.⑤Web会議 開始時の気配り
3-6.⑥Web会議中の気配り
4.要注意!Web会議に潜むリスクと注意点
4-1.オンラインのセキュリティ対策
4-2.オフラインのセキュリティ対策
5.まとめ
1.Web会議導入の4つの効果・メリット
Web会議はすでに導入済みの企業も多いかと思いますが、アフターコロナでもとの対面中心に戻すのか、それともそのままオンライン中心の事業活動を続けていくのか、迷いがある企業も多いのではないでしょうか。
そもそも今後もWeb会議を活用すべきかを考えるにあたり、次の4つのメリットを検討しておきたいところです。
- 移動時間・コストの削減
- 在宅勤務でも会議や打ち合わせが可能
- 「密」を回避し、感染症対策に有効
- 営業活動の生産性向上
Web会議最大のメリットは、営業活動における「移動時間・移動コストの削減」が可能である点です。
例えば、これまで商談1回につき往復1時間と800円の交通費がかかっており、営業担当者1人当たり月平均40件の商談が発生していた場合、1ヶ月で40時間と3.2万円、年間480時間と38.4万円の節約につながります。さらに、浮いた移動時間を別の商談にあてられるため、商談回数が増えて成約数アップにつながり、営業担当者1人当たりの生産性が向上する効果も期待できるのです。
このようなメリットを踏まえると、Web会議は単なる会議形態ではなく、競争力の源泉となるのではないでしょうか。
Web会議のよくある悩みと課題・解決策
一方で、オンライン会議において「対面時には感じなかった違和感・不快感を感じている人」も多数いるのが事実のようです。
Hubspotの調査によると、決裁権を持った経営者・役員・会社員にアンケートで「営業担当者の訪問を希望する」と答えた人にその理由を質問したところ、「顔を見ずの商談には誠意を感じない(35%)」、「営業担当者の顔を見ると安心感がある(30.1%)」と回答した人が多く、気持ちの面での満足度が主な理由であることが明らかになりました。
裏を返せば、非対面のWeb会議では、何らかの原因によって気持ちが伝わりづらい・信頼感を抱きづらい部分があるということでしょう。
また、Web会議中に困ったことやトラブルとしては、次のようなものが挙げられます。
コミュニケーションの問題 | ・相手の反応がわかりにくい ・自分の表情や仕草を伝えにくい ・話すタイミングが難しい ・カメラに参加者全員が映らない |
音声や映像の不具合(機材トラブル) | ・音声が聞こえない ・映像が映らない ・途切れる ・電波状況が悪い |
操作の不手際 | ・資料共有などの機能を使いこなせない ・操作に手間取る |
周辺環境の問題 | ・背景の映り込みや周囲の雑音などが気になる |
いずれの問題も、工夫次第で未然に防いだり、相手に与える印象を改善したりすることが可能です。
細かいマナーを気にしすぎるよりも、「参加者全員が気持ちよくコミュニケーションし、生産性の高い時間を過ごすためにできることは?」という視点で考えることが大切です。
①コミュニケーションの問題:相手の反応が分かりにくい など
Web会議では参加者同士の目線が合わないことが多く、対面の会議と比較して相手の反応が分かりにくい傾向があります。
Web会議を通して顧客と接するときには、こちらの表情やリアクションを伝わりやすくする工夫が重要です。具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 基本的にはカメラをオンにする
- 可能ならマスクを外す
- 大きめにリアクションする
- できるだけカメラに視線を合わせる
Web会議ではカメラをオフにして音声のみでの参加もできますが、基本的にはカメラをオンにした方がコミュニケーションが円滑になり、信頼関係も生まれやすくなります個室など状況が許す状況においては、マスクを外すとより表情が伝わり、顔を覚えてもらいやすくなるでしょう。
さらに普段よりも大きめのリアクションを心がけることで、Web会議でも自分の反応が伝わりやすく、相手のリアクションも引き出せるようになります。対面よりも意識的に笑顔やうなずきなどの回数を増やすことがポイントです。
また、できていない人が意外に多いのが「カメラに視線を合わせること」です。視線が画面に向いてしまうと、相手からはうつむいているように見えてしまいます。慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、資料や他のモニターなどを見ながらではなく、できるだけ正面を見てカメラ目線になるように意識すると良いでしょう。
視線をカメラに向けるためには、カメラの位置を工夫することがポイントです。カメラの高さや自分の座る位置を調整し、できるだけ正面からのアングルになるように設置しましょう。
他にもWeb会議でつまずくことが多い点として、複数人が同時に話し始めてしまうなど、会話のタイミングが取りにくいと感じやすいことがあります。
スムーズに会話するには以下の点を意識してみてください。
- 長めに間を取る
- 手を挙げてから発言する
タイミングが被ってしまう原因の1つは、こちらが話してから相手に声が届くまでに、若干のタイムラグがあることです。1対1で対話する場面では、普段より長めに間を取って話すようにすると、タイムラグがあっても話し始めるタイミングが被ることを避けられます。
3人以上が参加するWeb会議で進行役がいない場合は、発言する時に手を挙げるようにすると、被ることを避けられます。
②音声や映像の不具合(機材トラブル)
機材の不調によるトラブルとして、音声が映像より遅れて聞こえたり、途切れて聞こえたりして、相手の話を聞き取りにくいと感じる場合があります。
商談において、こうした不具合が起きると顧客にも大きなストレスを与えてしまいます。
このようなトラブルを防ぐには、安定した通信環境が必要です。解決策として以下の方法があります。
通信環境チェックリスト
- 有線環境を用意する
- 同時に他の通信をしない
- 必要な通信は事前に完了しておく
- 通信環境が悪い時はカメラをオフにする
Web会議ツールを快適に使用できる通信速度の目安は「下り10~30Mbps以上」です。参加人数が多くなるほど、高速な回線が必要になります。
Wi-Fiやモバイル回線では、Web会議中に通信速度が不安定になることがあるため、できれば有線による接続が望ましいでしょう。
自宅やオフィス以外の場所から商談に参加する場合には、不特定多数が使うネットワークを避けることが大切です。公共のWi-Fiなどを使うと、パフォーマンスが不安定になりやすいだけでなく、後述するセキュリティの観点からもリスクが大きいため、コワーキングスペースやシェアオフィスなどビジネスに適した環境が整った場所からアクセスすることを心がけましょう。
またWeb会議中に、同じ回線内で他の通信をしないようにすることも重要です。会議までにダウンロードが必要なデータは、あらかじめ通信を完了しておくようにしましょう。使う可能性があるWebページも、事前に開いた状態にしておくと、通信速度の低下を防止できます。
どうしても通信環境が悪い時は、断りを入れてからカメラをオフにしてみましょう。通信環境が改善することがあります。
他の機材トラブルとしては、スピーカーから「全く音が出ない」、話しても「相手に聞こえない」などの問題が起こることがあります。そのような時は、落ち着いてスピーカーやマイクの設定を確認しましょう。
音声入出力トラブルチェックリスト
- スピーカー・マイクがミュートになっていないか
- PC本体のスピーカーの設定は正しいか
- 外部接続に問題はないか
マイクがミュートになっているかどうかだけでなく、スピーカーもミュートになっていないかチェックしましょう。
複数のモニターやスピーカーが接続されている場合、「間違ったスピーカーを選択している」ために音が出ないことがあります。Web会議ツールの設定を確認し、正しいスピーカーが選択されているか確認してください。
外部接続でマイクやスピーカーを使用しているなら、正しく接続されているか、ドライバーのアップデートはしているかなどを確認しましょう。
ハウリングやエコーなどの音声トラブルも、よくある悩みの1つです。これは、ハウリング・エコーが発生しない適切な環境を用意することで対処できます。以下の点に注意しましょう。
ハウリング対策チェックリスト
- 端末同士の距離を取る(1部屋あたり1端末)
- エコーキャンセラー搭載のマイクを使う
- 反響しない場所で参加する
対策の基本は端末同士の距離を取ることです。同じミーティングルームに参加する端末同士の距離が近いと、ハウリングが起きやすくなります。
ヘッドセットを使っていても、マイクが音を拾ってハウリングが発生することがあるため要注意です。できるだけ「1部屋あたり1端末」としましょう。
エコーキャンセラーを搭載したマイクを使うことも、ハウリング防止に役立ちます。
音の反響もハウリングを起こす原因の1つです。端末は1つでも、音が反響する場所は避けるようにしましょう。
③操作の不手際:機能が使いこなせない、手間取る
使い慣れていないオンラインツールでWeb会議に参加する場合、操作方法を確認するのに手間取るという問題もあります。クライアントの指定などの制約があると、使用するツールを選べないことがあるでしょう。
普段から主要なツールの使用方法を把握しておけば、使い方に戸惑うことを回避できます。利用されることが多いWeb会議ツールは以下の3つです。
- Zoom
- Google Meet
- Microsoft Teams
使用するツールごとに、アカウント情報やカメラの動作などを確認する必要があります。いずれも簡単に操作できるツールばかりなので、一度設定して覚えてしまえば、ツールの違いは気にならないでしょう。
とはいえ、できるだけ使い慣れているツールを使うことで、スムーズに会議に参加することができるので相手方にリクエストできる時はお願いして、慣れたツールでWeb会議できるようにすることも1つの解決策です。
④周辺環境の問題:映り込みや雑音が気になる
オフィスなど他の人がいる環境でWeb会議に参加すると、周囲の雑音や背景の映り込みが気になるという問題も発生します。
Web会議に参加する場所や背景設定を工夫しましょう。解決策としては以下の方法があります。
- できるだけ個室を確保する
- バーチャル背景を使う
- 個室ブースを導入する
他の人が出入りするオフィスでWeb会議に参加すると、雑音や映り込みを避けられないことがあります。大切な商談など重要度の高いWeb会議では、できるだけ個室を確保して参加しましょう。
個室でも間取りやデザインによっては、「背景・壁などの見栄えが悪い」と感じることがあるかもしれません。そのような時はバーチャル背景で対処できます。ビジネスシーンでも違和感のないオフィス風景や、「バーチャル名刺」を背景にすることをおすすめします。
バーチャル名刺とは、会社のロゴや自身の役職・氏名、連絡先情報などをレイアウトしたバーチャル背景画像です。バーチャル名刺を設定しておくと、画面に映っている人の立場や名前がはっきり確認できるので、初対面の参加者にとっても関係性や立場が分かりやすくなるほか、連絡先情報にもその場でアクセスできるので、打ち合わせ後のやり取りもスムーズになります。
無料の「バーチャル名刺作成サービス」を使えば手軽に作成できるので、1枚用意しておくと便利です。
また、オフィスで頻繁にWeb会議をするのであれば、個室ブースの導入もおすすめです。Web会議に必要な防音・遮音性や有線LANポートを備えたタイプを選ぶと良いでしょう。
あわせて読みたいweb会議や個人ワークに最適!個室ブースの活用事例とメリット少しの気配りでWeb会議をもっと快適にWeb会議では、服装や背景、カメラの位置など、少し気をつけるだけで印象を大きく変えられるポイントが意外に多くあります。細かなマナーや作法を気にしすぎる必要はありませんが、Web会議をスムーズに進めるためのコツは「顧客・取引先と信頼関係を構築できるよう、気持ちよく生産的なコミュニケーションが取れる工夫をすること」です。
Web会議への参加方法や進め方について、社内で「マニュアル化」して共通認識を持っておくことも、トラブル防止やWeb会議への苦手意識をなくすのに効果的です。
以下7つのポイントを参考に、より良いWeb会議運営のためにできることを考えてみてはいかがでしょうか?
①時間厳守は共通のマナー ホストは開始5分前入室を心がける
ビジネスの基本である「時間厳守」は、Web会議でも重要なマナーです。
「Webなら多少遅れても目立たない」という意識ではなく、開始時間までに必ず入室しましょう。
特にホストの場合は、他の参加者がスムーズに入出できるよう、早めの行動が必要です。万が一ホスト側に通信エラーやPCトラブルなどがあると、会議の開始が大幅に遅れる可能性もあります。
ビズヒッツの調査では、Web会議より対面を好む理由として、意思疎通のしやすさに次いで「Web会議は不具合が生じる」ため、との回答が多い結果となりました。Web会議を経験したことのある人の多くが、何らかの不具合に直面した事があるということを示唆しています。
このように、不具合が起きやすいWeb会議に臨む際には、動作テストも兼ねて、遅くとも5分前にはミーティングルームを立ち上げておくのが安心です。
②服装は相手に合わせてシーンに相応しいものを
Web会議は自宅から参加する機会も多くありますが、カジュアルすぎる服装にならないよう意識した方が良いでしょう。
FABRIC TOKYOの調査では、出社時よりもカジュアルな服装でリモートワークをする人が全体の8割ですが、オンライン会議では、その内容や相手によって服装の配慮をしていると答えた人が6割に上ります。
具体的には、社外・目上の人との会議や重要な商談時にはジャケットを羽織るなどの心がけをする人が多いようです。
「オンライン会議の相手が部屋着のように見える服装で参加していたらどう思いますか」という問いに対しては、約半数が「気にならない」と答える一方で、残りの半数は程度の差はあれ「不快に感じる」と思うようです。
受け取り方は人それぞれですが、TPOに合わせた服装をすることで、相手に不要な不快感を与えることを避けられます。
特に、取引先や顧客と対峙する営業のシーンでは、様々なバックグラウンドを持った人と接する機会が多くなるため、対面での営業と同じ印象を与えられるような服装の方が無難と言えるでしょう。
服装選びに迷うメンバーが多い場合には、事前にマニュアルで服装の基準を共有しておくと、社内メンバーの統一感を出すことができます。
③Web会議用のライトを使う
ビジネスシーンでも「メラビアンの法則」を意識することで、相手に与える印象を改善することができます。
「メラビアンの法則」とは、「コミュニケーションには言語情報が 7%、聴覚情報が 38%、視覚情報が 55%の割合で影響している」という法則です。
慣れないWeb会議では、話の内容(言語情報)ばかりを良くしようと意識が向きがちになりますが、PCの画面越しに映る見た目(視覚情報)や声のトーン(聴覚情報)などの非言語コミュニケーションが、実は相手の印象に大きな影響を与えている、ということになります。
特に、Web会議では視覚情報は上半身だけに限定されるので、顔周りの映りが全体の印象を大きく左右します。
顔の映りをより良くするためには、照明を工夫するのがポイントです。部屋の照明だけでは、顔が暗くなってしまうことがあるので、顔の近くにもう1つ照明を用意することで、印象を大きく変えることができます。
デスクライトなどがない場合は、Web会議用のライトを用意しましょう。スマホ・タブレットのホルダーと一体化できる、Web会議・配信用のライトも販売されています。
ライトを設置する角度は斜め上から当てるのがコツです。真上や真横からの照明では、顔に不自然な影ができやすく、印象が悪くなります。
また、照明が強すぎると「白飛び」が発生しやすいので、ライトを顔に近づけ過ぎないことも大切です。
④Web会議の資料はシンプルに
Web会議で使用する資料を作成する際のコツは、「1スライド1メッセージ」です。
ビズヒッツの調査では、リモートワークの悩みごととして「集中できない」という回答が上位に挙がっています。このように、Web会議は対面よりも集中力が保ちにくい上に、小さい画面で資料を読む必要があるため、より伝わりやすい資料づくりを意識する必要があります。
1スライド(1ページ)に多くのメッセージを詰め込むよりも、メッセージごとに別のスライドを作成して、1つずつ表示していきましょう。
アイスブレークやディスカッションの時間を設けたい時などは、「自己紹介」「ディスカッション:〇〇について」のような文字のみを載せたスライドを用意すると、会議の進行がしやすくなります。
⑤Web会議 開始時の気配り
Web会議の開始時には、ちょっとした気配りをして場の空気を作りましょう。主なポイントは以下の点です。
- 1人ずつあいさつをする
- 表示名には本名を設定する
- 遅刻者がいる時は伝える
初対面の人がいる場合には、早い段階で1人ずつあいさつできるように進行すると一体感のある打ち合わせになります。
遅刻する参加者がいる時は、その旨をメンバーに伝えておくことが大切です。そのような配慮をしておけば、途中から参加したメンバーに対するフォローもしやすくなります。
また、オンライン商談で参加者が複数人いる場合、
・名刺交換の時間がない
・発言した人から画面の上部に表示されるので、常に並び順が変わってしまう等の理由から人の名前・役職と顔を一致させるのが大変だと感じる事があるのではないでしょうか?
このような混乱を少しでも軽減するために、Web会議ツールのアカウント名は、ユーザーIDやハンドルネームのような数字や記号ではなく、本名が表示されるように設定しましょう。
営業の場面など、自分の名前や役割をしっかり認識して貰う必要がある際には、本名に加えて読み仮名・肩書や所属を簡潔に記載するのも良いでしょう。
⑥Web会議中の気配り
会議の進行中にも、参加者全員が快適に生産的なコミュニケーションをするために、お互いに対する配慮を忘れないようにしましょう。以下の点がポイントです。
- 話さない時はマイクをオフにする
- 誰に話しているかを明確にする
- 使う資料は事前に共有する
- カメラ・マイクとの距離を適正に保つ
自分が話さない時は、マイクをオフにするのがWeb会議の基本マナーです。オンにしたままでいると、キーボードやマウスの操作音などの雑音が入り、他の人の話を妨げてしまうことがあります。
また、Web会議ではアイコンタクトができないため、「誰に話しかけているか」があいまいだと混乱を招くことがあります。できるだけ「〇〇さんはどう思いますか?」など、相手の名前を指定して話すように意識しましょう。
画面共有を使う予定があれば、使うスライドや資料を事前に共有しておくことも重要です。Web会議ツールの画面共有だけでは、文字が小さくて見えにくいことがあるほか、通信環境によってはスムーズに共有ができない場合もあるので、各自でも資料にアクセスできるようにしておくと良いでしょう。参加者は事前に内容を把握できるので、有意義な話し合いがしやすくなる点もメリットです。
話す際は、カメラ・マイクと自分との距離を適正に保つことも大切です。近すぎたり遠すぎたりすると、音割れが発生したり、ピントが合わなかったりなどの不具合が起きることがあります。画面映りや声の入り方が快適になるよう気をつけましょう。
要注意!Web会議に潜むリスクと注意点ここまでWeb会議の運営をスムーズにするためのポイントをお伝えしてきましたが、忘れてはならないのがセキュリティ面でのリスク対策です。Web会議は便利な反面、対面の会議に比べてセキュリティが脆弱になりやすいというデメリットもあります。
ネットワーク上のセキュリティだけでなく、見落としがちな音漏れや映り込みなど「オフライン」についてのセキュリティ対策も万全にしておきましょう。ここからは、Web会議に伴うリスクと、具体的な対策を解説していきます。
オンラインのセキュリティ対策
Web会議はインターネット上で開催するため、サイバー攻撃や不正アクセスなどに対するセキュリティ対策を十分に確保しておくことが重要です。例えば以下のような点に注意しましょう。
- 参加者以外にアクセス権限を与えない
- 不特定多数が利用できる公共の無料Wi-Fiを利用しない
セキュリティ対策が十分に施されたツールを使用することはもちろん、決められた参加者以外に「Web会議ルームのURL」や「ID・パスワード」などのアクセス権限を与えないように注意しましょう。
参加者の人数と名前を把握して、不正なユーザーに入室許可を与えないように管理することも重要です。
また、不特定多数が利用できる公共の無料Wi-Fiなど、セキュリティに不安のある回線を利用しないようにも気をつけましょう。
暗号化されていないネットワークでは、同じネットワークに接続している第三者によって、閲覧しているWebサイトのURLや履歴、メールの内容などを取得することができてしまいます。悪意ある人物が情報を傍受していた場合、ウイルスに感染させるメールを送信する、パスワードを盗むといった攻撃をされるリスクも出てきます。
さらに、実在するネットワークと同名またはよく似た名前の「なりすましアクセスポイント」にも注意が必要です。なりすましアクセスポイントとは、悪意ある人物が盗聴、のぞき見、端末の乗っ取りなどを目的として用意した回線です。この回線に接続してしまうと、端末に侵入されて情報を抜き取られるなどの被害に遭う可能性もあります。ぱっと見ただけでは正規のアクセスポイントと見分けがつかないことが多いため、基本的にはセキュリティに確証が持てない回線は使わないほうが良いでしょう。
Web会議のホスト側だけでなく、参加者全員がセキュリティに配慮することが必要です。基準をマニュアルなどで共有し、全員が徹底できるようにしましょう。
オフラインのセキュリティ対策
Web会議に使用する端末の外側(オフライン)についても、セキュリティ対策が必要です。
Web会議中に画面に映る映像の「盗み見」や、情報を「盗み聞き」されない環境を確保する必要があります。
具体的には、商談中に使用する資料や会話のなかで、具体的な社名や金額、取引条件などについて触れる場面が多々あるかと思いますが、これらの情報漏洩は重大なリスクになり得ます。これを防ぐためには、以下のような対策が考えられます。
- ヘッドセットを使用する
- 背景に機密情報が映らないようにする
- 離席する際、そのまま放置しない
- 他の人が出入りできない場所で参加する
音声の盗み聞きを防止するには、ヘッドセットの使用が有効です。防音の個室が確保できれば、ヘッドセットがなくても音声が外部に漏れることを防げます。
画面の盗み見を防ぐには、参加する場所を工夫する必要があります。壁の前など、他の人から画面を見られない場所を確保しましょう。Web会議に参加する部屋には、社外の人はもちろん、関係ないメンバーが入れないようにすることが基本です。
壁に貼った資料や、ホワイトボードの書き込みなど、背景に機密情報が映り込まないような注意も必要です。
Web会議中に離席する際、画面をそのままにしておくと、他の人に見られるリスクがあります。短時間の離席でも、画面ロックなどの対策を徹底することが大切です。
Web会議の機会が増えると、これまでのオフィスの会議室では、必要以上に大きすぎたり、会議室の数が少なすぎたりするため、「十分なWeb会議スペースが確保できない」という悩みが出てくることがあります。
とはいえ「将来的に会議室の必要性が減るかもしれない」「逆に出社が中心になれば、これまで通り対面での打ち合わせが増えるかもしれない」と考えると、会議室の増設や区画変更などへの投資をためらってしまうかもしれません。
こういったシーンでは、躯体工事不要で設置できる個室ブースを利用すると将来的な状況の変化に柔軟に対応できます。個室ブースを月額でレンタルできるサービスもあるので、状況に応じて活用すると良いでしょう。
まとめ当たり前になりつつあるWeb会議ですが、状況によっては違和感や苦手意識を持っている人もいるのが実態のようです。
Web会議には、「感染症対策」「業務の効率化」「働き方改革の推進」など、多くのメリットがあることは確かなので、事前の準備や工夫・配慮をして、より快適なWeb会議の運用を目指していきましょう。
「Web会議のマナー」を守ることで確かに会議はスムーズに進行しますが、本質的に大切なのは「単にマナーを守る」ことではなく、会議の目的や状況を踏まえて対面のコミュニケーションと同様に相手との信頼関係を構築するための心配りをすることであり、それが結果として行動や姿勢に現れてくるものです。
ビジネスシーンの新しいスタンダードであるWeb会議のあり方・向き合い方について、組織や個人として、今一度考えてみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたいweb会議や個人ワークに最適!個室ブースの活用事例とメリット